top of page
Liku Maria Takahashi
天動説
2008 / GFRP、鉄、心音計、400W ベースアンプ、他 音響機材 / 2.5 × 3.5 × 1.8(m)
FRP でできた赤い球体の表面には数千の穴があいています。鑑賞者が球の中に入ると、足元から頭上、背中までぐるりと小さな穴から外光が取り込まれます。点在するまばゆい星々に囲まれ、ある種の浮遊感を体感できる仕様です。
中央の白いイスのうしろには、400W のスピーカーが配置されており、座って備え付けられた心音計のクリップを耳にはさむと、ドクンドクンと自身の心臓の脈打つリズムが、背後の巨大スピーカーから、赤い球体はもちろんギャラリー全体に重低音で響き渡ります。
赤い球体は1つの惑星であり、鑑賞者自身。その惑星の中に入ると、その人自身をとりまく数えきれない星々に囲まれ、そして鼓動が天球をふるわせ、ギャラリーの床、天井、壁、その建物までを突き抜けビルごと共振させます。
この世の中すべては自分があるからこそ、この世界は存在している。
我思う故に我有り、すなわち天動説。
bottom of page