Liku Maria Takahashi
Dec.12, 2025
関東学院大学 理工学部 ヒューマン・コンピュータ・インタラクション
Human Computer Interaction, College of Science and Engineering, Kanto Gakuin University
【アートと他分野との接点】
理工学部の学生は、アーティスト高橋りくから何を学べるのか?
異なる分野だとしても、新たな気づきや視点を得られるのが、高橋独自の切り口で語られる講義の特色です。
高橋のアート活動の心に響かせるメッセージ性は、作品のみならず、こうした対話にも生まれています。
受講した学生のコメント
⚫︎高橋りく先生、今回の講義大変勉強になりました。ありがとうございました。
講義初めのお話を聞いているときは、「私は理工学部だから美術のことは全くわからないし、話についていけるか不安」と思っていましたが、美術のことはもちろんですが、人生を通しての考え方や行動することの大切さを強くお話しされていて、間違いなく私のこれからの人生が変わるお話であったと感じました。
お話の中で何度も自分の価値を自分で決めてはいけない、物事をやろうという気持ちが自分を変えるというようなことをおっしゃっていて、私の人生の中で何度も経験のある諦めが一個でも減っていたら今の人生は今よりもよくなっていたのだろうか、また今からでも諦めるということを簡単に決めずに挑戦してみたら未来はより明るくなるのではないかと考えるようになりました。
これからの私の人生に新たな道が生まれたと感じました。今回の講義、ありがとうございました。
⚫︎一番心に残ったのは「できないことを勝手に決めていないか?」という問いかけだった。
確かに、現代美術や宇宙打ち上げのように、一見不可能に思えることも、無理を積み重ねて乗り越えてきた結果なのだと気づかされた。社交ダンスの例も、60歳近くで始めて、通常なら無理だからもうやらないと思いそうな歳かもしれませんが、それでも始める行動力。
大学生活でも、最初から諦めてしまう場面が意外と多いが、挑戦してみないと自分の限界は分からないのだと思う。もっと自分の可能性を狭めずに行動してみようという気持ちになった。
⚫︎高橋りく先生、本日はご講義いただき誠にありがとうございました。
砂絵のマリスについてのお話は大変印象的でした。砂の粒の大きさを10段階に分けて色を表現するという発想には驚かされましたし、世界基準表を作成され、国際的に認められ、さらに特許を取得されたことも本当に素晴らしいと感じました。
世界に認められた背景には、砂粒ひとつひとつを人に見立て、互いの距離が離れないように意識されるなど、先生の温かいお心遣いがあるからだと思います。
また、最後におっしゃっていた「出来ないことを出来ることにすることを面白いと思ってやる」という言葉は、理系でIT関連の分野に進みたいと考えている私にとって大きな励みとなりました。IT系は特に、世の中にまだ存在しないものを生み出し、それによって社会をより良くしていくという事があると思うので、この言葉を心に刻んでいきたいと思います。
⚫︎今回の高橋先生の授業はとても貴重な時間になりました。
授業の内容がとても壮大で、聞き始めは失礼ながら(何を言ってるんだろう?)と思いそうなこともありました。ただ、聞いているうちにこの時間と言葉を(何を言ってるんだろう?)で片付けてしまうのはもったいないし、人としてなにかを失うような気がしました。
特に前半の『コツン』についてのお話は、これからの人生で頭の中に入れておくべきことだと感じたので今日このお話を聞けたことを嬉しく思います。
人生についての考えは人それぞれあって、みんなそれを考えることはあるけれど、それを外に出すことや誰かの考えを聞く機会はあまりないので、芸術家として外に何かを表現している人の考え方を聞くことができてとても楽しかったです。
改めてとても貴重な時間でした。ありがとうございました。
⚫︎講義ありがとうございました。
自分のわだかまりや不安、疑問に思ったことを「コツン」という表現をしていることが印象に残りました。約4歳の時に父の目が見えなくなるという事が最初のコツンの経験だそうですが、その他に強くコツンと感じた経験について聞いてみたいです。
また、自分のやりたいことがわからず、無気力に生きていたとしても、胸に手を当ててみると心臓は確かに鼓動しており自分のという人間が確認できます。鼓動を感じ、やりたいことに挑戦してみるという気持ちを大切にしたいと思いました。
⚫︎本日はお忙しい中、大学にお越しいただき講義をしてくださり、誠にありがとうございました。
高橋りく先生のお話は大変興味深く、自分の「生きる意味」や「何のために表現するのか」といった根本的な問いについて改めて考える貴重な機会となりました。
講義を拝聴する前は、私は芸術というものを「作り手の自己満足に近い行為」であるとどこかで捉えていた部分がありました。しかし、高橋先生が紹介してくださった、視覚に障がいのある方々のために触れて理解できる絵という作品の存在を知り、その考えが大きく変わりました。
芸術は単に鑑賞されるだけのものではなく、人の生活や心に寄り添い、誰かの世界を広げ、社会に深く貢献する力を持つものなのだと実感しました。
特に、「触れることで見える景色がある」という先生のお言葉が印象的で、表現のあり方や多様な受け取り手の存在を意識する大切さを学ぶことができました。今回の講義を通して、自分が今まで持っていた価値観が大きく揺さぶられ、新しい視点を得られたことを嬉しく思います。
本日は本当にありがとうございました。先生のお話を今後の学びや生き方にも生かしていきたいと感じております。
⚫︎今回の講義で、心を揺さぶるお話をありがとうございました。 先生がおっしゃった「こつん」を私もこれから大切にしていきたいと思いました。
幼い頃にお父様から「もう片方の目も見えなくなったらどうしよう」と相談されたというお話、そしてその後の出来事に、胸が締めつけられました。 それでも先生は「芸術は社会に役立たない」と言われながらも、「じゃあ社会に役立つ芸術をやろう」と立ち上がった。その姿勢に、ただただ尊敬の念を抱きます。
将来の自分に自信が持てないときでも、自分の心臓にどんな姿を見せたいかを考える。そのことで、私自身が自分の存在に迷ったときに自分の存在を確認できると思いました。 自分を信じられなくても、心臓には嘘をつかない。そうやって誠実に生きることで、気持ちのよい人間になれると思いました。
また、視覚に障がいのある方のために砂のサイズを変えて色を感じられるようにしたという発想には、驚きと感動を覚えました。 「世界中の全盲の人々に見せたい」という願いが、芸術の可能性をどこまでも広げているのですね。特許のお話を聞いて、先生が全盲の人々にとって実際に何が便利で、どうすればそれが実現できるのかを深く考えておられるのだと感じました。
先生の「何々したくないことには価値がある」という言葉も、深く心に残りました。エネルギーを使ってできることを増やしていくことは、自分の人生を大きく育てていくために、とても大切なことだと思いました。
⚫︎この度は関東学院大学で講義をしてくださりありがとうございました。
今回の講義で自分にとっての独自性が何なのかについて考えるきっかけになりました。
これまで自分について考えることはあったものの、協調性ばかり気にしてしまい、自分が何者なのか考えることを避けてきました。
ですが、高橋先生のような自分を自分なりの解釈で独自性を築き、磨いてきた方の話で、自分が何者なのかを経験や、環境など様々な視点から考えてみようと思いました。

